テキサス州の雇用法の主な内容を整理をした内容は次のとおりです:
1. 雇用者の従業員を解雇する権限の限界:
米国の他の州のように、テキサス州も「employment at will」の原則を導入しています。
これは、雇用者が従業員に事前警告をする必要や、または解雇の理由がなくても、いつでも、理由もなく無条件解雇をすることができ、また、従業員も、いつでも退社することができることを意味します。
しかし、このようにむやみに解雇または退職をすることができない場合があり、代表的な場合は、次のとおりです::
(1) 特定の期間雇用をする契約による雇用の場合には、その期間前に、雇用者が従業員を解雇したり、または従業員が退社をすれば契約違反になります。
(2) 従業員を人種、性別、宗教、出身国を理由に解雇することはできません。
(3) 従業員が軍隊に徴集がされて行くようになった場合、これにより従業員を解雇することができず、従業員が軍隊での服務を終えて、雇用者に戻ってきた場合、軍隊に行った当時の職責に復帰をさせなければならないのです。
(4) 従業員が離婚をした後、元配偶者に子供の養育費(child support)を支給をする義務があり、この養育費が従業員の給与から自動的に控除されなければならない場合は、これを理由に従業員を解雇することはできません。
(5) 職員が裁判所に証人または陪審員として出頭をする命令を受けたことにより出勤をすることができない場合には、これを理由にも従業員を解雇することはできません。
(6) 労働者災害補償(Workers Compensation)を請求をしたことに対する報復として従業員を解雇することはできません。
(7) 従業員が特定の労働組合に加入をしているか、または加入をしていないことを理由に従業員を解雇または雇用拒否をすることはできません。
(8) 従業員が雇用者が希望する候補者に投票をしてくれないか、または雇用者が嫌いな候補に投票をしたことに対する報復として従業員を解雇することはできません。
(9) 自然災害により、政府から避難命令を下した時、それに応じて職場を出て避難を行ったことを理由に従業員を解雇することはできません。
(10) 雇用主が従業員に違法行為をさせたことを、従業員が履行をしなかったことを理由に従業員を解雇することはできません。
2. 従業員が退社後行える活動の制限:
従業員が会社を退社をした後行える仕事かビジネスを制限をする雇用契約の条項は、かなりの法的規制を受けます。
そのような条項が合法的に見なされるためには、まず雇用者が従業員に「業務に関連する機密情報」を与えたことがなければならず((例)顧客のリスト、製品レシピなど)、また、従業員の退社後の活動が制限を受ける地域と期間が限定されていなければならないのです。 主に、2年を超えた期間は違法と見なされますし、また、従業員が制限を受ける地域も特定の地域に限定されていなければならないのです。 たとえば、「世界のどこにも、この職種に関連する仕事をしてはならない」と言う条項は広すぎると見なされ、無効になる可能性が高いのです。
そのような期間と地域がどの程度に限定されることが適切なのかは各ケースの性質によって異なります。
3. 雇用者の不当な行為に対しての抗議のための政府機関:
従業員が雇用者の不当な行為に対して抗議をして助けを求められる政府機関は次のとおりです:
(1) “Texas Workforce Commission” => 雇用主から給与を受けられなかった場合の助けを求められる機関です. (https://www.twc.texas.gov/)
(2) “Equal Employment Opportunity Commission” => 雇用主から人種、性別、宗教、出身国等によって差別(discrimination)を頂きましたことがあった場合助けを求められる機関です. (https://www.eeoc.gov/statistics/texas)
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